画面の隅々まで、高い解像性能を誇るGRのレンズ。
歪曲収差も少ないため、まっすぐな線は、そのまんま、まっすぐに描写してくれます。
この長所を活かし、街歩きの途中で目に入る”線”が織りなすデザインに着目してスナップしてみるのも楽しいものです。
GR II, M mode, 1/125s, F3.5, ISO400
ケルン街歩きの途中で、ふと目に留まった光景。
縦横の線は何本あるでしょう?
無彩色の壁を背景に映える赤は消火用ホースの格納庫。
それにしても”Löschwassereinspeisung”って長い単語だなあ。
GR III, AV mode, 1/125, F5.0, ISO100
こちらは、東京近郊の小さな町工場の壁面を撮影したもの。
ここまでくると、線の数は数えきれませんね。
トタン外壁と窓枠が構成する整然としたラインと、無造作にレイアウトされた配管類。
秩序と混沌の対比というのは、しばしばスナップ写真のテーマに用いられますが、GRを片手に散歩していたところ、期せずしてこのような被写体に出会うことができました。
GR III, P mode, 1/125s, F2.8, ISO800, Image Control: Cross Processing
上記の2枚は、どちらかというと平面的な描写になりますが、こちらは奥行方向を意識しています。
画面奥のカウンターで何やら説明を受ける家族。手前には大柄な男性のシルエット。
無機質な直線の中に、曲線が形作る人のシルエットが加わると少しホッとしますね。
さて、縦横のラインを描写する上で気を付けたいことは、なんといってもカメラを水平に構えること。
内蔵の電子水準器で、カメラの傾きを確認しながら撮影するのが有効です。
(GR IIIなら、ここで紹介した、[自動水平補正]機能をオンにしておくことをお勧めします)
そしてもう一つ、重要なのが、被写体に対して垂直に構えること。
いくら地面に対して水平・垂直にカメラを構えることができても、被写体となる面に正対する位置に立ってレンズを向けなければ、真四角な被写体も台形に写ることになってしまいます。
こちらの方は、カメラ側でガイド表示を出す事は不可能。
撮影者が自ら移動し、構図を微調整しながら撮影する以外に王道はなさそう、です。
※8月21日(金)の20:30から、GRオンラインイベントの第二弾 「GR 座談会 online」を開催します。
これまでのGRのイベントでは、カメラ自体をメインのトピックにする機会は多くなかったのですが、今回は「GRとカメラのこれから」というテーマでゲスト写真家のみなさまと一緒に、お話しさせていただきます。
ぜひぜひ、みなさん見てくださいね。
(あらいた)