「GR meet online Vol.2」のレポートをお届けします! (まちゅこ。)

2020.11.10 BLOG

こんにちは!管理人のまちゅこ。です。
10月24日(土)に開催した「 GR meet online Vol.2」のご報告です!


今回は、内田ユキオさん、中藤毅彦さんをお迎えして、昼間は東京・蔵前で撮影会、夜はオンラインイベントとして撮影会の作品やWEBで募集した作品の講評会、そしてスライド&トークをおこなうという、昼・夜の2部構成で実施しました。
(盛りだくさんのイベントだったせいか、レポートもなんだか盛りだくさんになってしまいました)

 
まずは、昼間の撮影会。
GR official のイベントでGRファンのみなさんと一緒に集まる場というのは、本当に久しぶり。考えてみたら、昨年のGR Bar以来です。こういう場を持てたことがスタッフ一同本当に嬉しく、心待ちにしていました!参加してくれたみなさん、ありがとうございます!
※マスク着用、消毒の徹底、検温などの対策をして実施しました。

今回の参加者は19名(お一人は体調不良で残念ながら欠席。またの機会にぜひお会いしましょう!)。
すっきりと晴れて気持ちのいい天気の中、東京・蔵前の街を、内田さんチーム、中藤さんチームにわかれて撮り歩きをおこないました。

そして、今回内田さんのチームでは、内田さんご自身の提案により、ちょっとした企画を実施。先日の 任三郎の記事でも触れましたが、各自くじ引きで撮影モード(設定)を決めて、そのモードで撮影するというものです。その設定はさまざまで、

アスペクト比として「スクエア」、イメージコントロールからは「ソフトモノトーン」、「クロスプロセス」、「ブリーチバイパス」、「レトロ」、クロップの「35mm」、「50mm」、そして「スナップフォーカス(無限遠)」、露出補正の「アンダー」、「オーバー」。

以上、全部で10モード(設定)。

得意なもの、たまにしか使わないもの、いままで使ったことが無いもの、、、。くじ引きのたびに、「えー!!」という声があがり、それを、笑顔で見ている内田さん。この企画を実施した意図は、スライド&トークにて明かされるのでした(のちほど!)。

中藤さんチームは、中藤さんに蔵前を案内してもらいながら撮影。このイベントの事前打ち合わせの際、いままで蔵前には行ったことがないと言っていた中藤さんですが、撮影会当日は、この建物は〇〇年に建てられたとても古いものなんです、とか、ここのお店は〇〇が人気で美味しいんです、とか、詳しく説明できるまでになられていて驚きました!(事前に2回ほどロケハンしたのだそうです)

撮影会に参加してくださったみなさんと記念写真!

 
続いて、夜の部、オンラインイベント。今回も、約300名の方に参加いただきました。
内田さん、中藤さんにはリコーイメージングスクエア東京にお越しいただき、我々スタッフと同じ場所で、オンライン配信をおこないました。

さっそく講評会からスタート。昼間の撮影会に参加された方の19作品(ひとり1作品)と、別途"1 mile スナップ"をテーマにWEBで作品募集し、エントリーいただいた約150作品の中からGR officialメンバーで選定した10作品を、お二人に講評していただきました。

蔵前の空気感、それぞれの方の蔵前らしさ、撮影モード設定によって変わる街の印象、被写体の見つけ方、光と影の捉え方、などなど、お二人からのコメントは、とても勉強になることばかり。なにより、みなさんの作品のレベルが高くて驚いてました。

顔出しOKの方の中から、数名、登場していただきました!生配信ならではの企画。なんともいえない緊張感にこちらもドキドキ。

 
そして、今回、講評中に撮影者の方数名に出演していただくという生配信ならではの企画も実施。撮影時の意図や設定などを聞きながら、講評をおこなうことができました。双方向のコミュニケーションはやはりいいですね。

撮影会参加者の方の作品を少しだけご紹介します。

 
そして、"1 mile スナップ"をテーマにWEBで募集した講評作品はこちら。

 
 
講評会のあとは、スライド&トーク。
まずは内田ユキオさんから、“コトバノチカラ・写真の力”と題し、それぞれが得意にしているもの、苦手なものとはなんだろうか、ということを掘り下げていくお話。

人は言葉を使ってものごとを認識したり共有したりするが、それはとてもデジタル的であるがゆえに、たとえば人間の感情などは、言葉で表しにくい場合がある。
それを表現できるものの一つが、写真であり、「言葉で表す感情」では切り分けられないもの、割り切れないものが写真には写っている。それが写真の醍醐味だと思う。
ということを、たくさんの「言葉」と「写真」で丁寧に語ってくださいました。

そして、撮影会でモード(設定)縛りを実施したことについては、

普段とは違うモード(設定)で縛りを付けることで、どうやって撮ろうか?表現しようか?と悩んで、自分の表現を改めて探してみることで、本当のその人らしさを見られるのではないか、見つけられるのではないかと思い、モード縛りをしてみた。
また、しばりを設けることで、普段使わない機能やモードを使うことになって、いままで気づかなかったGRの新しい魅力、写真の魅力を見つけるきっかけにもなってもらえたらと思った、とのこと。
実際に撮られたみなさんの作品には、とても驚かれており、その人が撮られたときの心情を探っていきながら講評をされていました。

写真は消費されるものではなくて、撮った人間の感情を誰かに伝えるためのものだと思ってる。そこに価値をもって言語の代わりになって、コミュニケーションになっていってくれるということが、僕の一番の期待であり、写真はこれからそういうフェーズに向かっていると思ってる、と。

さらに最後に「カメラ」についても。

クールでドライな人たちの中には、カメラは写真を撮るための道具だという人もいるけれど、僕はカメラというのは心を温めてくれるものだと思っている。僕がGRの好きなところの一つは、自分の「GR」が盗まれちゃったら、代わりに新品をもらえたとしても、これ(新品)じゃ嫌だな、オレのGRが好きだったんだよ、と思えるところ。それは、いまのデジタルカメラに一番ないところだと思う。
「GR(カメラ)」という喜びを大事にしながら、これから写真をもっと楽しんでもらえたらと思う。

 
続いて、中藤毅彦さん。

言葉で話すよりも、写真を見てなにか感じてもらえたら、ということで、約80枚の作品を15秒ごとに見せながら、お話ししてくれました。作品は、蔵前(撮影会当日とロケハン時)の写真と、まだ発表してない東京(渋谷、新宿、池袋など)の写真という、なんとも贅沢な内容。

ご自身の作品について語られていく中で、モノクロのハイコントラストの写真を撮るのは、自分の生理的な体質であるということを言われていました。

ものを見るときに、光と影で見る。フォルムでモノを見る。モノクロームで世界を見るというか、頭の中でカラーからモノクロに変換してみている感じ。
30年以上このスタイルで撮っているが、これからもこのスタイルを変えるつもりもない、という話をしながら、
みなさんも、それぞれ、自分の生理的な感覚や内なる声というものがあると思うので、それに正直な写真を撮ってほしい。教科書通りの写真は面白くないし、つまらない。達者な写真、上手な写真、ではなく、あなたの正直な、あなたらしい写真を撮ってほしいと思います、と。

また、直近、ご自身が20年前に撮られた作品で写真展を実施されていたことに関連して、
久しぶりに写真展をやりまして、GRのフィルムで撮った写真も何枚かあったのですが、20年経っても当時の写真の力はそのまま生きているんだなと。自分の作品がプリントとして残り、自分がいなくなっても、それが誰かに見てもらるようなことがあったら本望だし、こんなに嬉しいことはないです。

そして今日、まだ整理できてなかった未発表の写真を、こうして見てもらえることができて、とても嬉しいです、と言われていました。

 
最後に、時間を延長しながらの、トークセッション。
お二人に聞きたいことをチャットでコメントいただきながら、フィルムとデジタルのこと、カメラを選ぶ基準、コロナが収束したら一番に行きたい場所、などなど、それぞれトークしていただきました。


スライド&トークも含め、お二人のお話しは、それぞれに話のアプローチは違えど、その写真に撮り手の思いをどんな風に込められるか、込められているか、が大事なことである。だからこぞ、自分らしい写真を撮ってほしい。そして、それを見た人がなにかを感じてくれたら幸せである、ということを語ってくださいました。


あらためて、内田ユキオさん、中藤毅彦さん、昼から夜まで長時間ありがとうございました!
そして参加してくださったみなさん、ありがとうございました!

 
最後に、お二人の蔵前の写真をご紹介します!


★内田ユキオさんのひとことコメントと作品
ぼくらカメラ業界の人間にとって、2020年のCP+の中止からが「コロナ」でした。
今日またみんなと撮影会ができて、オンラインも含めてこういう場をもてた事が新しい一歩という意味も込めて、今日はCP+の初日に着るつもりだった衣装を今日着てきました(アンディウォーホルのコスプレとのことです!)。
尊敬する中藤さんと一緒に一日いられたということが本当にうれしかったし、楽しかったです。

 
★中藤毅彦さんのひとことコメントと作品
僕自身、ずいぶん久しぶりに大人数での撮影会でしたが、非常に楽しく撮影できました。コロナ禍でずいぶん閉じこもって沈んでいた時期もありましたが、やっぱり街を歩くと、人の生きる強さみたいなものが感じられて、とても刺激になるし、時代を映す鏡というか、それが写真の役割だなと改めて思いました。今日みなさんと一緒に撮影して、スナップに対してモチベーションを高めることができた、いいイベントでした。

 

そして、「GR meet」恒例の"みんなのGR"も!
投稿してくださったみなさん、ありがとうございます!!

※参加者のみなさんのGRとコメント(Twitter):#grneet #mygr

 
オンラインイベントは、今後も続けていきたいと思いますので、みなさん、ぜひ気軽に参加してもらえたら嬉しいです。
 
そして、リアルなイベントも少しずつ、増やしていけたらいいなと思っています。
みなさんにお会いできる日を心待ちにしています!

 
 
<お詫び>
オンラインイベント前半、マイクトラブルにより内田ユキオさんの声が聞こえないという事態により、ご参加くださった方々には多大なるご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。改めて、この場を借りてお詫びいたします。
今後、さらなる検証と準備の徹底をおこなうようにいたします。


(まちゅこ。)

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