GR IIIでは、モードダイヤルをTv (シャッター優先自動露出モード。Time Valueの略) やM (マニュアル露出モード) の位置にセットすることで、シャッタースピードをコントロールすることができるようになります。
さらに、マニュアル露出モードには、シャッターボタンを押している間シャッターが開き続けるB(バルブ)や、長秒露光の時間指定ができる BT (バルブタイマー) の機能があり、うまく使いこなすことで動く光を光跡として記録することも可能です。
今回は、これらのスローシャッター設定機能を利用して夜景の名所、横浜みなとみらい地区を撮影した写真をご紹介します。
GR III, M mode, BT 120s, F16, ISO100, ND filter ON, Vivid
BT(バルブタイマー)はマニュアル露出から選択します。ADJレバー操作でシャッタースピード表示がBTに変わったら、背面コントロールダイヤルで露光時間の調節ができるようになります。
空を横切る2本の光跡は2021年4月に開業したロープウェイ(YOKOHAMA AIR CABIN)のライトです。
今後、横浜のあらたな観光名所として定着することでしょう。
GR III, M mode, BT 60s, F16, ISO100, ND filter ON, Cross Processing
内蔵NDフィルターの併用により、60秒でも露出オーバーにならない撮影ができました。
フラッシュの後幕シンクロの作例のようにも見えますが、外部フラッシュは使っていません。
手前の車線を走り去る赤色のテールランプの光跡と、信号待ちで停車するクルマが重なり、不思議とスピード感ある写真になったと思います。
GR III, M mode, BT 40s, F16, ISO100, ND filter ON, Hi-Contrast B&W
遊園地のアトラクションが描く光の幾何学模様。モノトーンとの相性もなかなか良いようです。
光跡撮影は、シャッター押下から撮影終了までの待ち時間が長く、撮影には忍耐が必要ですが、それだけにイメージ通りの画像をゲットできた時の喜びもひとしおです。
普段のストリートスナップでは、数百分の1秒の露光時間をメインとしている僕ですが、今回の撮り歩きで光跡撮影に適したスポットを脳内シミュレーションする悦びに目覚めてしまったようでもあります。
【番外編】
こちらは、ずっとスケールの大きな光跡、流れ星です。
横浜ではなく、天の川がぼんやり見える場所まで遠出して撮ったもの。
カメラを空に向け、何十コマかインターバル撮影したうちの1枚に大きな流星が写ってくれていました。
GR III, M mode, 20s, F2.8, ISO3200
夜景や星空は、色調やコントラストを整えることで印象が大きく変わってきます。
この写真もRAW撮影後、カメラ内の画像編集機能でホワイトバランス、キー、コントラスト、明瞭度などを調整し、さらにレベル補正で暗部をひきしめました。
(あらいた)