画像データの横と縦の長さの比率のことを、アスペクト比と言います。
デジタルカメラやスマートフォンで撮影する静止画は、この比率が3:2か4:3で記録されるのが一般的。
GR III/IIIxも、最大記録画素数は横6000、縦4000ですので、これを簡単な整数の比で表すと3:2になります。
さて、このアスペクト比ですが、GR III/IIIxでは、画像編集時に16:9の比率で切り取ることも可能です。
今回は、この機能を利用して仕上げてみた写真を紹介します。
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GR IIIx, 1/640s, F8.0, ISO800, Vivid
16:9はテレビのフォーマットとして、お馴染みですよね。
横方向に長いため、画面中央に主要な被写体を置くと、構図がどっしりと落ち着いた印象になります。
一方、アクセントとなる要素を画面の隅に配置してバランスを取るのもありです。天秤におもりを置いて安定させるようなイメージ。
上の写真も、横長フレームの両端に目を引く要素を配置したことで、不思議と落ち着いた構図になっていると思います。
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GR IIIx, 1/30s, F2.8, ISO200, Standard
東京タワー。10人いたら9人までは縦構図で撮る被写体だと思いますが、縦長の建造物を横長で捉えてみるのもお薦めです。
足元に行くにしたがって曲率が高くなる鉄骨のカーブが何とも美しく、このように切り取ってみました。
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GR IIIx, 1/40s, F2.8, ISO800, Cross Processing
16:9を縦長に使ってみました。こちらは奥行き感を意識しています。
手前はススキ、その向こうがクルマのテールランプ、さらにその先、電線の向こうの空にお月様...と言いたいところですが、これ、月ではありません。街灯をボカして撮るとこんな感じに写ります。
そう言えば、伝統的な掛け軸や花札などは縦に長いフォーマットですね。花鳥風月をモチーフとした絵柄は、縦構図との相性が良いようです。
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GR IIIx, 1/40s, F9.0, ISO400, Positive Film / GR IIIx, 1/250s, F4, ISO200, Positive Film
16:9比率はコンピューターのディスプレーに多く採用されています。
スマートフォンの画面もこの比率に近いものが多いですね。
GRで撮ったお気に入りの1枚を、壁紙やホーム画面にしてみるのも楽しいですよ。
眺める時間が長くなるので、ミニマルな構図の方が飽きが来ないかも。
アイコンが画面に並ぶことを考慮して、撮影の際は中央のスペースを空けることもお忘れなく!
(あらいた)