商品企画の岩崎です。
前編に引き続き、GR IIIx Urban Editionについてお伝えしていきます。
今回は、GR IIIx Urban Editionにプレインストールされており、発売と同時にGR IIIとGR IIIxにアップデートすることで使えるようになる機能拡張ファームウェアについて紹介します。
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今回の機能拡張ファームウェアは、細かなものも含めると7つの機能拡張と改善がされています。そのうちの3つの新たな機能について詳しくご説明します。
①スナップ距離優先モード
この機能で設定できる項目は、スナップ距離と被写界深度です。これは今までにない新しい露出モードになります。
被写界深度は、DOF1~DOF3の範囲で選択でき、DOF1は深度が浅く、DOF3は深度が最も深くなります。特にDOF3は設定されているスナップ距離においてはパンフォーカスに近い被写界深度となるように絞り値が選択され、ピントの位置やフォーカス時間を気にせず撮影できるのでシャッターチャンスを逃さず 撮影することができます。
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そして、DOF1やDOF2では、被写界深度が浅く設定されています。深度幅を頭の中にセットしてその中に狙った被写体が入るように自分が動くように撮影していくと良いと思います。
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このスナップ距離優先モードは、ストリートスナップなどで、瞬発力を生かし、その瞬間を切り取っていくシーンで価値を発揮します。その都度メニューで設定するというよりも、ユーザーモードなどに設定しておいて、自分が動いてどんどん撮影していくというような使い方がお薦めです。
また、スナップ距離に「3.5m」を追加され、より細かな設定が可能となりました。これは特にGR IIIxでは使いやすいスナップ距離だと思いますので、ぜひ試してください。
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②オートエリアAF(中央)
オートエリアAFは、画面の広い範囲を5×5のエリアに分けてフォーカス情報を取得し、最適なところにピントを合わせるオートフォーカスです。今回新たに追加されフォーカスモードは、中央部の3×3のエリアでオートフォーカスを行うというものです。
中央3×3のエリアでオートフォーカスを行うので、例えば、足元の地面など、意図しない周辺の被写体にピントがあってしまったというようなことが無くなります。また、多くの人が行き交うストリートの中で、周辺にいる人にピントがあってしまうということも無くなります。中央部にメインの被写体を置くことが多ければ使いやすくなるのではないかと思います。
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③シャッターボタン設定に「AF作動」を追加
シャッターボタン設定では、今まで「AF作動+AEロック」と「AEロック」が設定できるようになっていましたが、この設定に「AF作動」を追加しています。
これは、シャッターボタンを半押したときにAF作動だけを行い、半押しした状態を維持すればフォーカスをロックしたことになります。AEはロックされませんので、この状態から構図を変えてシャッターボタンを押し込むことで、その直前でAEが働き露出を合わせることになります。ピントを合わせた後に構図を決めるような撮影スタイルだと使いやすくなると思います。
そのほか、再生時に液晶をロングタップすると再生機能選択画面を呼び出すことが可能となり、RAW現像や再生画像の編集などがタッチパネルで素早くできるようになりました。
また、操作性の改善として、トリミングのアスペクト比の変更において、今までADJボタンを押すことで選択されるアスペクト比が表示されていました。これは、表示されているアスペクト比とトリミングされる枠のアスペクト比が一致しておらず分かりづらいものでした。今回、すでに選択されているアスペクト比を表示することで、トリミング枠のアスペクト比と一致させるようにしました。
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今回の機能拡張ファームウェアは、使いこなすことによってピント合わせのストレスを低減し、ストリートでのスナップでより使いやすくできたらと考えて搭載しました。これらの機能を搭載した機能拡張ファームウェアは、後日GR III、GR IIIxをお持ちの方でもアップデートすることで使えるように公開いたします。
この機能拡張ファームウェアをお持ちのGRに入れていただき、これからもGRを長く使っていただければと思います。
以上、GR IIIx Urban Editionについて、お伝えしました。
※「RICOH GR IIIx Urban Edition Special Limited Kit」の発売日や販売方法に関しての詳細はリリース文をご覧ください。
(岩崎)