こんにちは、朝倉です。
昨年から、大阪をベースに月に2、3度は仕事で東京に行くという生活をしているので、電車や新幹線に乗ることが多くなりました。
移動中はもっぱら、窓の外の景色を眺めて時間をつぶしています。
今回は、そんな車窓から景色を撮る時に朝倉が気をつけているポイントやGRの設定についてお話します。
車窓から景色を撮るということは、窓越しにカメラを構えることになるわけですが、一番気になるのは窓ガラスの反射です。
車内の照明や座席が写り込んでしまうのを、一番簡単に抑える方法は、レンズの先端部分を窓ガラスにベタづけしてしまうこと。
GRはオートフォーカス時もレンズの鏡胴部分が前後しないので、気にせず窓ガラスにベタづけできます。
少し曇った窓ガラス越しに撮ると、ソフトフィルターを付けたようなハイライトのにじみが出るので、それはそれで大好きで、あえて狙って撮ることも。
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GR IIIx,Pモード, ISO200,1/800sec,F5.6,ポジフィルム調,太陽光(M5)
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GR IIIx,Mモード, ISO200,1/1000sec,F5.6,ポジフィルム調,太陽光(M5)
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GR IIIx,Pモード, ISO200,1/250sec,F4.0,ポジフィルム調,太陽光(M5)
もう一つは気になるのは窓ガラスの色。
最近の電車には紫外線カット機能のついた窓ガラスが採用されていて、窓越しに撮ると紫の波長がカットされるからか、写真が緑っぽくなるんですよね。
ホワイトバランスを「AWB」に設定して撮っても、まだ少し緑っぽい。
なので、窓ガラス越しに写真を撮る時は、ホワイトバランスを「太陽光」に設定して、更にFnボタンからホワイトバランス微調整の設定でマゼンタ(M)方向に+5しています。
これで、緑かぶりを防ぐことができます。
下の写真は1枚目が「太陽光」そのままで撮った写真で、2枚目が「太陽光」でマゼンタ(M)を+5した写真です。
富士山や空の色がすっきりしているでしょ?
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GR IIIx,Pモード, ISO100,1/1000sec,F4.0,ポジフィルム調,太陽光(2枚目のみM5)
そして、肝心なカメラの設定の方は、普段撮る写真と変わらず「ピント合わせる・ブレないように撮る・シャッターチャンスを逃さない」という基本的なポイントを押さえて考えるわけですが、動いている車内から写真を撮る時は結構難しいんですよね。オートじゃなかなかうまく撮れない。
それを踏まえた上で、朝倉が車窓からの景色を撮る時のGR IIIx設定は以下のようにしています。
・シャッタースピード:1/500s
・絞り:F5.6
・ISO:AUTO
・フォーカス:SNAP
・スナップ撮影距離:5m (GR IIIの場合は3.5m)
ポイントの1つ目はシャッタースピード。
流れていく景色をなるべくきちんと止めるために1/500sにしています。もっと速いシャッタースピードの方が全てピタッと止まるのですが、いつもピーカンに晴れているわけではないからシャッタースピードが速すぎると露出が足りなくなってしまうのと、遠景であれば1/500sで十分止めることができるし、近景は逆に少しブレている方が車窓から撮っている感じが出るので、個人的には好きで、このシャッタースピードにしています。
ポイントの2つ目はフォーカスと絞り。
フォーカスをスナップにして5mの位置に置きピン、そして絞りをF5.6にすることで、GR IIIxでも手前2.5mから無限遠まで被写界深度を深くすることができます。これによる一番の恩恵はピントをオートフォーカスで合わせる動作がいらず、「いいな」と思った景色でシャッターを押すだけの状態になっているということ。
車窓から見る景色って、一瞬で流れていってしまうので、その瞬間を逃さないために、シャッターを切るだけの状態にしておきたいので、この設定にしています。
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GR IIIx,Mモード, ISO125,1/500sec,F5.6,ポジフィルム調,太陽光(M5)
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GR IIIx,Mモード, ISO200,1/500sec,F5.6,ポジフィルム調,太陽光(M5)
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GR IIIx,Mモード, ISO640,1/500sec,F5.6,ポジフィルム調,太陽光(M5)
これらの設定は、モードダイヤルのU3に「train shot」という名前で登録してあって、いつでもすぐに呼び出せるようにしています。
というわけで今回は、窓越しに写真を撮る時のお話でした。
電車での移動中ってついつい、スマートフォンに目を落としがちですが、窓の外には素敵な景色が流れていっています。
是非皆さんも、GRを片手に、窓の外を眺めてみてはいかがでしょうか。
それでは、また。
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GR IIIx,Pモード, ISO200,1/160sec,F3.5,ポジフィルム調,AWB