あらいたです。
インスタグラムなどのSNSでは、色調やコントラストなどの仕上がりが加工された写真を見ることも多いですよね。
報道やドキュメンタリー写真といった、資料としての画像に手を加える事は考え物ですが、見て楽しむ事を前提とした作品であれば、いわゆる"映え加工”だって立派な表現手段の一つ、と僕は考えます。
GRで撮った写真を、見栄えよくお化粧してから披露したいという思う人も多いでしょう。
ということで、今回はカメラ内の画像編集機能で実践できる写真加工テクニックを紹介します。
GR IIIx, P mode, 1/4s, F2.8, ISO200, EV-0.7, HDR Tone
東京駅のように、荘厳かつ優美な建築物はHDR調との相性もよい被写体。
赤レンガの駅舎を、ほぼ正面から眺められるスポットを訪れて、GR IIIxで撮影してみました。
1枚目の写真は、イメージコントロール「スタンダード」での仕上がり。見た目に近いのはこちらですが、もう少しインパクトが欲しい。
2枚目はイメージコントロールの「HDR調」で現像した際の設定です。「シャドー補正」を強にして暗部を持ち上げたり、ホワイトバランス「電球色蛍光灯」を選んだ上で、さらに最大限ブルー側に振っていることにも注目です。
3枚目、現像後のJPEGデータの明るさを「レベル補正」で整えます。この時は、ハイライトと中間トーンを左側に寄せてメリハリを付けました。
4枚目、トリミングで1:1を選択。上下左右に余裕を残して切り取りつつ、微妙な画像の傾きを修正して完成です。
続いては、少しマイルドな加工です。
GR IIIx, P mode, 1/30s, F5.6, ISO500, EV-2.0, Hard Monotone
コンクリートや鉄骨に囲まれた無機質な空間と人物のシルエット、そして明暗差を強調したモノトーン仕上げ。
ロンドン発のStreet Photographyでよく見にする印象が強い構図ですが、この写真は東京・丸の内のオフィス街で撮影したものです。
1枚目。JPEGスタンダードの画像です。この種の写真を撮る秘訣は、狙った場所に人が来るのを待ち続ける"忍耐”の一言につきますね。
2枚目は、RAW現像のパラメータです。ハードモノトーンの初期値をベースに、明瞭度を+4に調整してパキッとした仕上げを狙いました。
その後は、上の写真と同様に、レベル補正とトリミング時の傾き調整を実施して完了です。
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いかがでしたでしょうか。
かなり極端で派手な加工と、白黒画像の調子を整える二つの仕上げ過程をご紹介しました。
GRというカメラは、携帯性や速写性といった撮影するための性能も優れていますが、撮った後の画像を作品として仕上げる仕様もよく練られています。
みなさんも、これらの機能をぜひ試してみてください。
撮影時にはピンとこなかった写真が、会心の一枚に生まれ変わるかもしれませんよ。
(あらいた)