こんにちは、管理人のまちゅこ。です。
8月19日(金)、高知県高知市にて、GR trip 第七回目「高知 trip」を開催しました!
(これまでのGR tripはこちらから一覧でご覧になれます)
新型コロナウィルスの影響もあり、しばらく「GR trip」の実施が難しい状況だったのですが、今回実に3年ぶりに実施することができました。
さかのぼること、6月。
高知で開催した「GR meet 47 高知」に、高校生が2名参加してくれていたのですが、彼らは高知市の高校に通っており、写真部に所属しているとのこと。
高校生がGRのイベントに来てくれるなんてめったにないので、どういう経緯で来てくれたのかなと、ワクワクしながら懇親会の際にいろいろ聞いてみたところ、顧問の先生から「GRのイベントがあるから行ってみたらどうか」と勧められて参加申し込みをしてくれたという、なんとも嬉しいお話が(それを素直に行動に移している彼らもすごい。ちなみに先生は、GR IIを使ってくださっていました)。
そして、彼らいわく「高知では、こんな風に写真家さんが来てくれて、一緒に撮影に行ったり、講評してくれたり、直接お話できる機会はほとんどないので、すごく嬉しい、ありがたい。まだ高校生なので、なかなか遠くまでは行けないし。」と。
それなら「GR trip」という企画があるから、高校生のグループで、よかったらぜひ!ということを伝えると、「じゃあ、メンバー集めてみます!!」と力強く一言。
高校生ということで、実施するなら夏休み中が理想であること、そして夏休み中であれば、学校を使わせてもらうことができるということで、とんとん拍子にメンバーも集まり、日程調整も進み、8月19日(金)に彼らの通う学校、高知学芸中学高等学校での実施が決定しました。
「GR trip」は、普段我々がなかなか行けないような地域や場所で、GRファンの方々と一緒に、その方々の大切な場所を撮り歩き、みんなで写真に残していきましょう!というもの。
現在「GR meet 47」で各地を回らせていただいてますが、それぞれの県内で行ける地域は、どうしても限られてしまいます。「GR meet 47」での出会いが「GR trip」につながり、こうして “彼らが大事にしている高知” を一緒に撮り歩くことにつながったことは、ホントに嬉しい限りです。
ということで、今回はそんな写真部の高校生二人が幹事役となってメンバーを募り、学生5人(写真部3人)と先生3人(写真部顧問の先生含む)、合わせて8名が集まってくれました。
グループ名は、ストレートに「高知学芸高等学校 写真部&教員」です。
会場は、学校の教室。今回の幹事役は「GR meet 47 高知」に来てくれていた学生2名。まずは一人目の幹事さんから開催にあたっての「ご挨拶」中の様子。「教室」が懐かしすぎて、我々テンション上がりまくりでした
今回のGRistは、内田ユキオさん。
写真やカメラをとにかく楽しく学んでもらいたい。“教科書”ももちろん大事だけど、大事なことは他にもたくさんある。そういったことを、ユーモアたっぷりに伝えてくれるのではないかなと思い、お願いをさせていただきました。
イベントの前日、内田さんと事前打ち合わせをした際に「ボクのこと知ってる人が一人でもいたらいいけど、いないだろうなぁ。どういうキャラ&テンションでいこうか、ちょっとまだ迷ってるんだよねー」と言っていた内田さん。GR tripは、ゲスト写真家が誰なのかは、当日までシークレットですからね。
しかし、その迷いはすっかり解決されたようで、冒頭のご挨拶から、だいぶいい感じに飛ばしてくださいました。
内田さんのあだ名の話で「ウッチーとかゆっきぃとか呼ばれるけど、たまに間違えて“うッキー”って言っちゃったり」という話で、みんな肩の力が抜けて笑顔に
自己紹介のあとは、「カメラともっと仲良くなるためのクイズ」と題し、内田さん特製のクイズ形式で写真やカメラのお話。学校の授業さながら「じゃあ、〇〇さん、これどう?なんだと思う?」と指名しつつ、みなさんとの距離を少しずつ縮めて、和やかな空気に変えていってくれました。内田さん、さすがすぎます!
そして、全員に、写真以外に興味あるモノやコトも聞いていた内田さん。
撮影会後の講評会では、各自4〜5作品を提出。写真としての講評とともに、好きなものや興味があるものと写真との関連などもコメントされていました。
「カメラのモニター画面と会話しながら自由に撮っている感じがとてもいい、すばらしい」
「ミリタリー好きって言ってたよね?ミリタリー要素はあまり感じないけど、写真のセンス抜群」
などの、褒めちぎりコメントから、
「斜めに撮るクセを意識してやめてみるといいかもしれない」
「なんかいま、いろいろと悩んでる??そんな気持ちが写真に出てる感じがする」
「ちょっと細かいところのまとめ方が雑なところがあるかな。視点はすごくいいから、それを直したらすごくよくなる」
といった、具体的なアドバイスもたっぷりしつつ。写真からその人の“ココロ”を読んで、その人がなにを見ているのか、どう感じているのか、を丁寧に掘り下げていて、ズバリ言われた側もびっくりしている様子でした。
また、
「ピントが合った、うまく撮れた、という“写真”ではなく、カメラを通して世界を見たときの、あっいいな、という感覚を大事にしてもらいたい」
「なにを撮るか、写ってるものの価値ではなくて、それをどう綺麗に見たか、が写真の価値」
「最近なかなか外に出かけられてない、遠くまでいけるチャンスがない、と思う時、そうじゃなくて、身近なものを特別な視点で、新しい見方で見れば綺麗な素晴らしい瞬間があるんだ、それこそがカメラの魅力なんだ、と、そこに気づいて撮ってもらえるとすごい楽しくなると思います」
と、写真やカメラの本質についても、さまざまな例え話も交えて、とてもわかりやすく話してくれました。
講評会中、内田さんのコメントに笑ってしまいながらも真剣です
そして、締めのコメントでは、
「じゃあ、最後に一つ聞きたいんだけど、今朝、このイベントがスタートした朝の10時頃より、いま写真のこと好きになってる?また撮りたいな、と思ってる??それだけで、ぼくら来た価値あると思ってるんで」
という内田さんの言葉に、みなさん、大きくうなずき。続けて、
「今回、君たちが行動することで、GR tripというイベントが実施できたわけだけど。僕も佐渡の田舎に住んでいたから、自分がなにかしたからって報われるわけじゃない、どうせ田舎なんだからって当時思っていたんだよね。でもこうやって行動を起こしてみたら、リコーのスタッフや僕が来て、イベントができた。このことを励みにして、これからも行動力を大事にしていってもらいたい。迷ったら、まずは一歩踏み出してみる、ね。
あ、君たち、鉄道写真撮るのも好きだと思うけど、線路に一歩踏み出すとかは、やめてね。」
と、最後まで笑いを取るのを忘れない、内田さんでした。
それでは、“高知 trip”を写真でお伝えいたします!
もう一人の幹事さんから、撮影コース&プラン案の説明。考えてくれた4つの撮影コースの中から、彼らが一番行きたいというコースに決定!手書きのプラン案に、なんだか感動しちゃいました。ランチのお店の候補も含め、実はバイトで高知の観光課で働いてるんじゃない?っていうくらい、場所の説明&選択が完璧でした
学校を出て、出発!電車に乗るので、駅に向かいます。真夏の青空の中、最寄り駅まで徒歩15分、暑かったー
路面電車の中で、学生たちに「撮れた?どう?」と内田さん
道すがら、なにかと撮影したくなっちゃうみなさん。写真部のメンバーは鉄道写真も好きということで、電車が通るとみんなカメラを構えてました。挑んでます!
路面電車で北山駅で降りて、てくてく歩いて、目指すは仁淀川。緑がきれいで、気持ちのいい場所です
仁淀川に到着!空が広い!橋って絵になるね。思い思いにいろんな角度から撮っていました
たそがれる先生であります
切符買ったの何年ぶりだろう。映画『竜とそばかすの姫』の舞台にもなった伊野駅。ちょうど「志国土佐時代の夜明けのものがたり」という観光列車が出発!「おーーーい、こんにちはーーー」
今回の"みんなのGR"!おお、青春感がある!!
緑と空と踏切と。いい雰囲気すぎるところで、記念写真です(先生2名が、校内でちょっと予定がありこのタイミングには不在で、、残念)
それでは、「高知学芸高等学校 写真部&教員」のみんなが撮った、「高知」の写真を、ギャラリーでご覧ください!
そして、内田ユキオさんの「高知」も、こちらでご覧いただけます。
GR tripにお申し込みいただいた幹事さん、参加してくださった学生&先生方、そして内田さん、本当にありがとうございました!
すっかり大人になってしまった我々にとって、高校生&先生との「学校」での時間は、ただでさえ“青春”を思い出さずにはいられないシチュエーションでしたが、さらに写真やカメラと共に一日過ごしたことで、「学校」で過ごす “限りある日常” のかけがえのなさを痛感してしまいました。きっと、スタッフみんな、それぞれの“あの頃”に戻って、学校での写真撮りたいと思ったはず(もっと撮っとけばよかったなー...しみじみ)。
いろんなことを思い出させていただき、たくさんのことを学ばせていただいた、みなさんとの一日は、本当にもったいないくらいキラキラした、夏休みの大切な思い出になりました。
スマートフォンで写真を撮るのが当たり前の世代が、GRというカメラに興味を持ってくれていたこと、すごく嬉しかったです。
みなさんがこの先どんな道に進むのかはわからないけど、写真やカメラの楽しさを、今日の記憶とともに覚えていてくれたらいいなと思います。
それでは最後に、内田さん、幹事さん、そして、今回は顧問の先生のコメントも紹介させていただきます!いつもより、ちょっと人数多め&長めです!!
***
★内田さんより―
高校生たちが写真とどう関わっているか、とても興味がありました。コロナ禍で部活動が制限され、人との関わりは減っているはず。
でも今の高校生は「生まれたときにはYouTubeがあって、物心ついたときにはiPhoneがあった、真のデジタルネイティブ」の第一世代です。スマートフォンがあるのにカメラを手にして、動画が溢れた世界で写真を撮っている子たちが、どんな考えでいて、どんなセンスを持っているか、すごく楽しみにしていました。
感心したのは、イメージと情報を処理する能力がすごくて、写真を見て「この感じいいな」と思ったら記憶しておき、似たシチュエーションのときに呼び出して参考にできるところ。これは教えて身につくものでもなく、従来は時間の積み重ねが必要でした。数十GBもの写真を毎月のように撮り、インスタグラムが身近にあって、モニターで結果がすぐに確認できることで、デジタル環境の利点を活用していく新しい世代に入ったのかもしれません。
移動のとき車窓を撮っていたので、「見慣れた景色じゃないの?」と聞いたら、「GRならどう写るか興味があるんです」と答えていて、シビれました。好奇心の大切さは今も昔も変わらないですね。
フィルムの喜びを知らない世代が、新しい写真の可能性を切り開いてくれるかもしれないという期待で、「写真まだまだイケるじゃん、やっぱカメラって最高だよな」と興奮しながら帰路につきました。
旬の戻りガツオの美味しさもすごかったけれど、高校生たちの撮影風景と作品が見られたことが、なによりも嬉しかったです。
★幹事さん(2名)よりー
写真家の内田ユキオさんが撮影会前に話して下さったカメラ・写真に関する話が非常に素晴らしかったです。また、講評会でのアドバイスや褒め言葉も参加した生徒・教員の一人一人に深く刺さり、将来のカメラ人生を変えることのできるような良いお言葉ばかりでした。
撮影会で撮り歩いた伊野地域は、自分もちょこっとだけしか撮影したことがなく、高知県のすばらしさが再確認できてよかったです。また、集合写真を撮影した踏切のあたりも雰囲気が最高でした。そして、再びGRという優秀なスナップシューターを体験出来て良かったです。普段は非常に重いカメラを持っているので、軽さに感動してしまいました。このような素晴らしく貴重な体験ができたのも「GR meet 47」の時の出会いがきっかけと考えるとなんだか、感慨深いです。
ありがとうございました!
(青山)
GR meet 47 in 高知から 2 か月、再び GR を手にすることができるとは思ってもいませんでした。また、内田ユキオさんは面白くて気さくな方で、写真の作風も私好みでまたお会いしたいと思いました。リコーの皆さん、写真家の内田ユキオさん、そしてすべての関係者の皆様に、こうして GR trip を開催できたことを感謝したいと思います。
私自身、初めてのイベントホストが、大好きな GR のイベントで本当に良い経験になりました。ありがとうございました。
四国でまた GR meet があれば参加したいですし、いつかは GR IIIを購入したいと思います!いや、購入します!
(有澤)
★写真部顧問の先生よりー
気持ちのよいスタッフさんたちに、企画段階から生徒を大人扱いしてもらったことで、日常的には大人とのやりとりの少ない高校生に貴重な経験を積ませてもらいました。
内田さんには終始、楽しく真剣な場をつくってもらえたのがよかったうえ、高校生と盛んにやりとりして、それぞれの想いと表現とを掘り起こしながらも、プロの視点からズバズバ講評を入れてもらえたのが嬉しかったです。写真の本質だったり、部の運営だったり、多くを考えるタネをもらいました。
素敵な出会い、濃密な時間をありがとうございました。
(松村)
なお、今回、デジカメWatchさんが取材で同行してくださいました。後日レポート記事を公開してくださるかなと思うので、そちらもお楽しみに!
(追記:10月14日)
デジカメWatchさんのレポート記事が公開されました ⇒ レポート記事
「GR trip」は、引き続き、募集中です!
GRistと一緒に撮り歩きしたい、あなたの大切な場所を、ぜひ教えてくださいね。幹事さん、お申し込みをお待ちしております!
よろしくお願いいたします!
#Outline
GR trip 高知
当日のタイムスケジュール
09:30-11:00 オリエンテーション
11:00-15:00 撮影会(昼食)
15:00-17:00 写真選び後、講評会
※今回は高校生メインのグループということで、GR所持人数の条件は免除とさせていただき、みなさんにGRを貸し出しさせていただきました
#Special thanks
高知学芸中学高等学校
お世話になった教室。ホントにいい空間でした。ありがとうございました!
高知といえば!ということで、カツオのたたき!塩で食べるのが「通」だそうです。美味しかったー
~ おまけショット ~
「朝倉」駅と、うちの「朝倉」のコラボを撮る、学生のみなさまの図。
朝倉の調子にのりすぎちゃった決め顔に注目です