ティールとオレンジ (あらいた)

2022.10.12 BLOG

あらいたです。

カラー画像のレタッチ術のひとつに、ティール & オレンジと呼ばれる色補正があります。
オレンジは、日本でもなじみ深い色名ですが、ティール色をすぐに思い浮かべる人は少ないかもしれません。

ティール(Teal)とは鴨の一種、コガモのことだそうです。
頭部が青緑色をしていることから、この色自体をティールと呼ぶようになったのでしょう。

GR III, P mode, 1/50s, F4.5, ISO3200, Cross Processing

ティール & オレンジは文字通り、寒色系をティール色に、暖色系をオレンジ色に近づける画像処理です。
2010年前後のハリウッド映画での流行が発端となり、静止画の世界でもこの仕上げ手法を取り入れる人が増加したみたいです。

GRのイメージコントロールでこの色調を再現できないかとトライしてみたのですが、難しいですね。
青緑色の再現は、クロスプロセスをベースに、色相やホワイトバランスを調整して仕上げてみました。

GR IIIx, Av mode, 1/60s, F2.8, ISO1600, Cross Processing

悩ましいのは、オレンジ系の色を強調する方法。

GRには、特定の色領域だけを抽出して色味を補正するメニューはありません。
となれば、撮影の際に工夫するしかない....。

GR IIIx, M mode, 1/1000s, F2.8, ISO100, Cross Processing
LightPix Lab FlashQ Q20IIを使用しています。1/1000秒の高速シンクロはレンズシャッター機のGRならでは。

ということで、東京タワーやヒマワリといった暖色系の要素を構図内に配置することで、それっぽく見えるような写真にしてみました。

GRのConcept Movieでも語られていますが、GRは決して万能な優等生ではありません。
だからこそ、創意工夫に本気になれるのかもしれません。

"クリエイティブなアイデアは制約の中から生まれる"
昔読んだビジネス書にあったフレーズを、ふと思い出した今回の撮り歩きでした。


(あらいた)




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