「GR meet 47」群馬会場レポートです!(朝倉)

2022.11.18 BLOG

こんにちは、朝倉です。
GR meet 47の第10回目、桐生市で開催した群馬会場(10月8日)のレポートです。
やっと、10ヶ所目まできました!

ゲスト写真家は安達ロベルトさん。
2010年にGXRのイベントで群馬県桐生市を訪れておられて、ロベルトさんにとって12年ぶりに桐生再訪ということになりました。
会場は、明治時代に建てられたという国登録文化財「旧須藤邸」。
大正時代に改築されているそうですが、とても趣のある素敵な建物で、我々スタッフも、前日準備で到着した際に、準備そっちのけで建物内を探検してしまいました。
前日は強い雨が降っていて気温も低く、ちょっぴり心配をしていましたが、イベント当日は秋晴れで最高のイベント日和になりました。

会場として使わせていただいた「旧須藤邸」。白壁の外観が青空に映える!

入口を入ると受付といつものGRフラッグ。建物の外観だけでなく、中にあるものひとつひとつがすべてレトロでフォトジェニックで、とても素敵な会場でした。

撮影会前のオリエンテーションの際に、ロベルトさんが「撮影会の前に、皆さんに聴いていただきたいエッセイの一節がある」と、染色家の志村ふくみさんの「色を奏でる」という本を取り出し、その中から桐生と同じく織物が盛んな街に伝わる蚕の伝承のお話をご紹介されました。
ロベルトさんは読み終えたあと、「桐生という織物の街を歩くときに、今の話を心のどこかに置きながら撮ってみると何か感じるものがあるかもしれません」とおっしゃっていました。

「色を奏でる」を朗読するロベルトさん。

今回の会場を紹介していただいたのは、桐生在住でFM桐生のラジオパーソナリティもされているフォトグラファーの石原ミチさん。
石原さんには、桐生に関する様々な情報を事前にいただいたり、当日もイベントに参加して撮影会のナビゲーターもしていただきました。

それでは、いざ撮影会に出発です。

旧須藤邸を出て、皆さんと一緒に桐生の街を歩きます。皆さん早速、被写体を見つけては思い思いに立ち止まって撮影を始めます。

途中、分かれ道があって、険しい坂道コースと平坦な回り道コースの2グループに分かれて目的地まで歩きました。一人がカメラを向けると、つられてみんなで撮ってしまう。

撮影会の最終目的地は桐生新町の重要伝統的建造物群保存地区だったのですが、皆さん、道中で気になる被写体が多かったようで、伝建地区にたどり着いたら「もうお昼食べてすぐに戻らなくちゃ」という時間に。
桐生がそれだけ魅力的な街ということもありますが、カメラを持って歩くと、特別なものがないように思えるいつもの景色も、ついつい足を止めてたくさん写真を撮ってしまうんですよね。これも皆さんと一緒に行く、撮影会の醍醐味です。

安達ロベルトさんも気になる被写体を見つけては、静かに立ち止まり、サッと撮影されていました。後ろ姿も画になる!

昼食をはさみ、午後の部は講評会からスタート。撮影会で撮った作品を1人3点提出して、参加者の方の作品を投影しながらロベルトさんに講評いただきました。

丁寧に提出作品を読み解いて講評していくロベルトさん。

ロベルトさんは撮影された方から一人ひとり、撮影意図や撮影会の感想を聞いたあとに講評をされていたのですが、写真のテクニカルな部分だけでなく、「この感性は○○さんのストロングポイントだから、これからも大切に」「色彩感覚が素晴らしくて、とても才能があるから、写真以外のことにも応用できる」「3枚の写真すべてから音が聴こえる」などなど、その写真からロベルトさんが感じたその人の印象や長所、才能を感じたところなどを、ロベルトさんならではの言い方で伝えておられたのがすごく印象的でした。
ご自身の経験も交えながら、「自分の弱いところとか嫌なところ、つらい経験も写真表現ではプラスに変えることができる」という話もされていて、参加者の方も真剣な眼差しで聞き入っておられました。

今回の講評会の作品の中から、いくつかご紹介します。

 
休憩をはさみ、安達ロベルトさんによるスライド&トークです。
まずはご自身で制作された音楽とともに、2010年に撮影された桐生の作品と、今年の8月に撮影されたタイの作品を見せていただき、その時のエピソードをお話いただきました。

心に残る音楽とともに流れていく安達さんの色彩豊かな作品が印象的でした。

つづいて、当日にロベルトさんが撮影された作品のスライドショーとともに、ハンドパンの生演奏。ロベルトさんの奏でるハンドパンの美しい音色に包まれた会場で観るスライドショーは、その場にいた人しか味わえない、特別な体験でした。

ハンドパンの生演奏と当日撮影された作品のスライドショー。

スライドショーを見終わったあと、ロベルトさんへの質問タイムがあり、参加者の方からは「絵画と写真をされていますが、相互に影響はありますか?」「フィルムとデジタルの使い分けはどのようにされていますか?」など、たくさんの質問が出て、その一つ一つに丁寧に答えておられました。
そして最後に、志村ふくみさんの「色を奏でる」の中からもう一つお話を朗読。
特に印象的だった一節をご紹介したいと思います。

***

ある人が、こういう色を染めたいと思って、この草木とこの草木をかけ合わせてみたが、その色にならなかった、本にかいてあるとおりにしたのに、という。
私は順序が逆だと思う。草木がすでに抱いている色を私たちはいただくのであるから。どんな色が出るか、それは草木まかせである。ただ、私たちは草木のもっている色をできるだけ損なわずにこちら側に宿すのである。

-志村ふくみ「色を奏でる」より「色をいただく」の一節-

染色家の志村ふくみさんのエッセイ「色を奏でる」。

そして、恒例の懇親会。今回は群馬の方と同じぐらい埼玉の方の参加が多く、それぞれの撮影場所の情報の交流をされていたり、お互いのGRの使い方についてのお話やGR meet 47 埼玉会場での再会を約束されている方も。
参加者の皆さんとロベルトさん、スタッフも一緒になって交流することができ、楽しいひと時となりました。

埼玉からの参加者が多かったこともあり、乾杯の音頭は埼玉在住のスタッフが。隣県の人たちの交流ができるのもGR meet 47ならでは。

参加者全員で恒例の記念写真!ほんとうに素敵な会場でした!ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

そしてこちらも恒例の「みんなのGR」。

 
最後に、安達ロベルトさんのコメントと作品をご紹介します!


<安達ロベルトさんより>
2010年、GXRのイベントに招待されて以来の桐生でした。

12年前は、2歳になった息子が保育園に入ったばかりのタイミングでした。2年間毎日休むことなく、ミルクからおむつ、睡眠、散歩、予防接種まで、昼間のすべての面倒をみてきた直後の、これでようやく楽になると解放されたのと同時に、心にぽっかり空洞もできたタイミングでした。

そんな半ば社会復帰のリハビリのようなコンディションにあったゲストの写真とピアノ演奏に、声援と涙で応えてくれたのが桐生の人たちでした。そこで得た自信は、いま振り返ると、とても大きかったように思います。

今回GRのイベントで、12年間様々な経験を経て、少しだけ成長した自分で恩返しができたように思います。

桐生は、街並みは少し変わりましたが、人々は以前と変わらずやさしい街でした。類は友を呼ぶのでしょう。県外からが過半数だった今回の参加者の皆さんも、慈愛のヴァイブレーションに満ちていました。一人の例外もなく全員に、やさしい個性と、写真、カメラ、世界への強い好奇心を感じました。午後に提出されたスナップを見て思いました。写真も生き方も、上手じゃなくていいのです。そのままのあなたでいいのです、と。

12年前にも参加くださり、今回の開催にあたり多大な尽力をしてくださった石原ミチさん、最高の会場と使いやすさを提供してくださった旧須藤邸の関係者の方々、そしてGR meet 47が毎回楽しく円滑に進むよう日々多くの努力と工夫をしてくださっているリコースタッフの方々、ありがとうございました。

 
桐生という街、歴史ある旧須藤邸、安達ロベルトさんのお話や作品、参加者の皆さんとの交流、すべてが素敵で最高の一日となりました。
安達ロベルトさん、そして石原ミチさん、旧須藤邸の関係者の皆さま、本当にありがとうございました!!

今回、ゲスト出演いただいた安達ロベルトさんは、12/10(土)に開催予定のGR meet 47 兵庫会場に鈴木光雄さんとともに出演していただく予定です。
兵庫会場の詳細、申込受付は近日中にお知らせいたしますので、お楽しみに!

さらに!明日11/19(土)に渋谷で実施する「GR Bar」で作品展示作家のお一人として、そしてDJタイムのDJとしてご参加いただきます。
ご都合の合うかたは、ぜひ渋谷でお会いしましょう!


★Special thanks
・旧須藤邸 関係者の皆さま
・石原ミチさん

撮影会中、ミラー越しに自撮りをする朝倉を撮るロベルトさんを撮る参加者の方。

天候に恵まれて、素敵な光をいっぱいに浴びて、生き生きとしている花々。

石原ミチさんのオススメいただいたお店で食べたチーズナポリタン。濃厚なチーズに絡む昔ながらのナポリタンが絶品でした!

 
★これまでの「GR meet 47」

・GR meet 47関連一覧
 https://www.grblog.jp/article/?tag-name=47


(朝倉)



友だち追加

Facebook X Hatena Bookmark Pocket Google Plus LINE

PREVIOUS

葉っぱの面白さ (みにゅう)

2022.11.17 | BLOG

NEXT

秋の色(えみ)

2022.11.22 | BLOG

RELATED ARTICLE

GR official SNS