みなさん、こんにちは。
「GR III Diary Edition」の商品企画担当、大久保です。
今日は「GR III Diary Edition Special Limited Kit」発売日です。
ご予約いただいた方、ありがとうございます!順次発送させていただきますので、楽しみにお待ちください。
前回に引き続き、今回はDiary Editionに搭載しており、アップデートすることですべてのGR III、GR IIIxシリーズで使える、機能拡張ファームウエアについてお話しさせていただければと思います。
Diary Editionは、日常をモチーフに毎日撮影するGRをコンセプトにしています。
今回のファームはそんなDiary Editionにふさわしい内容を考えて開発に取り組みました。それではご紹介したいと思います。
■イメージコントロール「ネガフィルム調」を追加しました
Diary Editionでは、日常的に使えるイメージコントロールを追加したいと思っておりました。デジタルカメラが普及する前は、フィルム値段がいまよりも安く、また写真屋さん以外でも現像を出せる場所が多くあったため、気軽に撮影できることから、ネガフィルムが一般的に使われていたと思います。
また、個人的な話で恐縮ですが、今の仕事に携わる前はネガフィルムしか使ったことがありませんでした。100円ショップでネガフィルムを現像したこともあります。カラーフィルムでいうとポジフィルムもありますが、ポジフィルムはプロ写真家が使う特別なフィルムという印象を持っていました。
なので、今回の日常的に使っていただけるイメージコントロールとして、ネガフィルムの色調をテーマにすることにしました。
実際のネガフィルムは種類も大変多く、銘柄によって発色やコントラストも様々です。
さらに暗室作業などの後処理によって、同じフィルムを使っていてもプリントの表現は大きく変わっていきます。
今回は特定のネガフィルムではなく、様々なネガフィルムを使った写真の表現を参考にしました。
カラー写真の歴史を紐解くと1970年代に様々な写真家が作品を活発に発表し始めています。その作品は一般的にニュー・カラーと呼ばれるのですが、その中にはネガフィルムだけでなく、ポジフィルムを使った作品もあります。
今回は、ネガフィルムを使用したニュー・カラーの作品を参考にしながら「ネガフィルム調」を作りました。トーンカーブの中間域を上げ、全体的に少し明るくなるように調整してあります。
また、少し退色感を持たせており、毎日の生活を撮ることをより楽しめるイメージコントロールになったと思います。
さらにキーを上げて、コントラストを下げて、露出補正をプラスにして影の部分を減らしてあげるとニュー・カラーの著名な作家でもある、スティーブン・ショアやルイジ・ギッリの作品の雰囲気に近づける事もできます。
f8.0、1/200、ISO200、露出補正:+0.3
ネガフィルム調:彩度0、色相0、キー+2、コントラスト0、コントラスト(明部)0、コントラスト暗部-1、シャープネス0、シェーディング0、明瞭度0
GRのイメージコントロールは細やかな調整が可能です。
皆さんの好みに沿った「ネガフィルム調」に調整いただいて、様々なシーンで楽しんでいただけたらと思います。
■終了画面に総撮影枚数を表示するようにしました。
今までは、その日(一日)に撮影した枚数を表示していましたが、新たにカメラの総撮影枚数とファームウエアバージョンの表示もできるようになりました。今まで何枚撮影したかがわかるようになり、カメラに対する思い入れが増してくれたらと思っています。
例えば、1日1枚撮影すれば365枚とったことが確認できるわけです(笑)。
ぜひお使いのGRの撮影枚数を確かめてみてください。
1枚目:従来表示/2枚目:新表示
そして、ファームバージョンの確認もこの終了画面でおこなえるので、メニューから入って確認する必要が無くなります。
終了画面がビジーだなと思われる方は従来表示に戻すことも可能です。
■ImageSyncからの電源OFFができるようになります。
私は、その日撮影した画像を自宅に帰る電車内でスマホに転送することが多いのですが、今回のファームでは、転送後に、カメラの電源OFFをスマホからできるようになります。
※「Bluetooth設定」の「動作モード」を「電源オフ時も接続する」を選択しておけば、GRをカバンに入れたまま、スマホでImageSyncからGRの電源をONにして、カメラ内の画像を閲覧して、好みの画像を転送し、再度スマホからGRの電源をOFFにできます。
下図のようなフローになります。
※ImageSyncからの電源オフ機能は、ImageSyncのバージョンをV2.1.15にアップデートすることで利用できるようになります
例えば、混んでいる電車でもわざわざカメラを出さずに画像の転送ができるので、使い勝手がよくなると思います。
今回の機能拡張ファームウエアは日々の使い勝手を少しでもよくして、より撮影を楽しむことを考えて開発しました。
Diary Editionだけでなく、すべてのGRをお使いの方に楽しんでいただけると思っています。ぜひアップデートしていただいて、皆さんの写真生活向上につながればと思います。
※機能拡張ファームウエアはコチラのページからダウンロードできます。
なお、本日、RICOH GR III Diary Edition Special Limited Kitの発売ですが、春頃には、単体モデル(付属の専用ストラップとケースが無い、カメラ単体のモデル)も発売予定ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
※「RICOH GR III Diary Edition Special Limited Kit」の販売方法に関しての詳細はリリース文をご覧ください。
(大久保)