あらいたです。
今や、「Chat GPT」 に代表されるテキスト生成AIの話題を見かけない日は無いくらいですが、画像制作の場にも人工知能 (AI = Artificial Intelligence) の技術は急速に普及しつつあるようです。
この記事を読むみなさんの中にも、世界的な写真コンテストにAIで生成された写真が入選し、後に作者が受賞を辞退したニュースを耳にした人は多いと思います。
件の作品は、『Pseudomnesia: The Electrician 』(リンクはGoogleの検索結果) と題されるものですが、電気技師という設定の二人の被写体が見せる謎めいた表情の描写は、ヴィンテージ調の仕上げとも相まって、純粋にポートレート“写真”として見ても高く評価されるに相応しいクオリティ、と僕は感じました。
ただ、それ以上に気になって来たのが、僕らが普段GRで撮るようなスナップ写真の将来についてです。
スナップ撮影の目的には「記録」と「表現」の2つの側面があると思っています。
で、前者、すなわち記録物としての性格の強い写真の価値は、AI時代になっても失われることはないでしょう。
そこに写っているものが、いつ、どこで、何(誰)であるかが意味を持つ写真。
特に、私的な思い出と紐づいた記念写真のような分野は、人工知能が生成するデータでは置き換えが効かない領域のはずです。
では、何かを「表現」する意図で撮る写真はどうか。
例えば、被写体の形状・陰影・色彩などの描写に創意工夫を反映させた写真、あるいは、現実世界では再現不可能な一瞬の偶然などをモチーフとする写真は、いくらでも "撮り直し" が可能になるため、この先AIによって大量に生成されるようになるのかもしれません。
正直、一ミリたりとも現実が写っていない画像を写真と呼ぶ事には、若干の抵抗あるのですが、そうは言っても、イノベーションが後戻りする事はないでしょう。
ならば、今後さらに加速するであろうAIの普及が、僕らリアル写真ファンの、撮る/観る行為にどんな影響を及ぼすようになるのか、これからも注目していきたいと思います。
...と、そんな、話をしていたら今回の掲載画像がAI写真に見えてきませんか?
安心してください、撮ってます。
撮影データ:上から順に..
・ GR III, P mode, 1/320s, F8.0, ISO800, ビビッド+カメラ内RAW現像, トリミング
・ GR IIIx, P mode, 1/125s, F3.5, ISO200, クロスプロセス+カメラ内RAW現像, トリミング
・ GR III, P mode, 1/1250s, F8.0, ISO200, ポジフィルム調+カメラ内RAW現像, トリミング
(あらいた)