おかげさまで「GR meet 47」も着実に回を重ねることができ、今回で19回目となりました。
個人的には、「GR meet 47」4回目となる、企画の大久保です。
富山は生まれて初めて伺います。今回も楽しませていただきました。
富山駅。とても近代的な駅です。駅前もきれいに整備されていてお花も飾ってありおしゃれでした
今回は富山地方鉄道富山港線の岩瀬浜駅からほど近くの岩瀬カナル会館さんで開催させていただきました。
岩瀬カナル会館は岩瀬運河沿いに建っています。岩瀬運河は、富山駅と富山港をつなぐ工業用運河として開削されたとのことで、運河周辺には当時の町並みや廻船問屋の建造物が残されており、江戸から明治にかけての歴史の風情を感じることができます。
会場として、岩瀬カナル会館の64畳の畳敷き大広間をお借りしました。
1枚目)岩瀬浜駅。小さくてかわいくてカッコいい駅です
2枚目)畳敷きの部屋に椅子の部屋は靴を脱ぐこともあり、リラックスできたのではないでしょうか
1枚目)岩瀬カナル会館。とても立派な建物でした
2枚目)いつものひよこも気持ち増えてきましたね(笑)
今回の「GR meet 47」は25名様に参加いただきました。
ゲスト写真家は戸澤裕司さん。
戸澤さんは週刊誌カメラマンとして経験を積み、フリーのカメラマンとしてポートレート、ドキュメント、文芸作家との紀行写真撮影など幅広く活躍されています。
作品活動ではドキュメンタリーの経験を活かしたストリートスナップが多く、人物スナップの名手です。
GRフラッグと戸澤裕司さん。様になっています
最初にGRの使い方などオリエンテーションを行い、その後、PhotoWalkです。
1枚目)会場でのオリエンテーション。PhotoWalkのコースは、富山に詳しい戸澤さんのアシスタント山田さんが説明してくださいました
2枚目)それでは出発です。雨の天気予報でしたが、日ごろの行いの結果(笑)撮影中は全く降らずに済みました
最初は皆さん同じ場所を撮影していたのですが、時間の経過とともに、徐々に個々の興味や視点に従ってバラバラになっていきました。
撮影エリアはこんな感じです(青いハッチング部)。私も同行して撮影したのですが、GRのスマートフォン連携機能の「位置情報の記録」をしてみました。大久保の行動の軌跡は右側です。
AからDのポイントを簡単にご紹介したいと思います。
・カナル会館を出て岩瀬橋から岩瀬運河沿い(AからB付近)
橋の上から運河沿いは様々な被写体でいっぱいで皆さん盛んにシャッターを切っておられました。
1枚目)ちょうど観光船が通りかかり皆さんここぞとばかり撮影されていました(笑)
2枚目)カラーコーンはなぜかとってしまいますね。各自いろいろな角度から撮影です
・富山北消防署分室から富山港展望台付近(BからC付近)
消防署分室あたりまでは皆さん一緒でしたが、以降皆さん三々五々散開していきました。
1枚目)GRならではの撮影方法ですね。戸澤さんが暖かく見守って(?)います
2枚目)撮影に集中する戸澤さん。この時の写真は、このページ下にあるギャラリーにもあります
・展望台付近から大町新川通りへ(CからD付近)
展望台に上る人、昼食をとる人、皆さん自由に行動されています。
1枚目)展望台。ここから撮った写真を講評会に出した方もいらっしゃいました
2枚目)造り酒屋の軒先にある杉玉は格好の被写体ですね
食事も各自で楽しんでいただけたようです。そして時間通りに会場に戻ってこられました。
午後からは講評会です。
一人3枚まで選んでいただき、戸澤さんに講評をしていただきました。
いつもながらセレクト中は独特の緊張感ある雰囲気です
戸澤さんは撮影された方との会話を楽しむように話をされていました。
雑誌の仕事をされていたため、「この写真は記事に使える」という仕事視点でアドバイスされる一方で、写真作家として、参加者の写真に素直に驚かれることもありました。
1枚目)にこやかに会話をする戸澤さん
2枚目)講評会の様子。皆さん他の方が撮られた写真を興味深そうに見ておられました
今回の参加者の皆さんの作品(一部)をご紹介します。
講評会の後は戸澤さんのスライド&トークです。
去年開催されたご自身の写真展「DESTINY」で使われた写真を紹介しつつ、写真展のテーマや作品つくりの考え方などの話をしていただきました。
「DESTINY」はコロナ禍の東京の記録(ドキュメンタリー)である一方で、その事象と向き合うことでご自身の心情が変化していく様子をクロスオーバーした、二つのテーマを持った写真展だったそうです。
戸澤さんの会場での言葉を少しご紹介します。
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SNSで注目されるような「映える」写真があります。1枚1枚が完璧であればあるほど、満足感を得るかもしれませんが、それでは飽きてしまう事もあります。
一方で何気ない日常の中に自分も気が付かない大切な瞬間があります。その瞬間を撮った写真は「映える」写真ではなく、後からじわじわと心に響いてくる「じわる」写真になります。
写真展や写真集では40~50枚の写真を使って、表現したいテーマを組みあげます。
そういった組み写真は「映える」写真だけでは表現しきれないのです。「じわる」写真を積み重ねて、全体像が見えてくることで、個々の写真の持つメッセージや意味がより鮮明に伝わるのです。
つまり写真は日常で直ぐ撮れること、その時手の中にカメラがあることがとても大事なのです。いつも持ち歩けるGRが最適なのです。
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戸澤さん、ありがとうございました!
トーク後はみんなで集合写真です(いい笑顔!)。
そして、富山のGR集合です
最後に懇親会です。
戸澤さんの音頭で乾杯です。
皆さんと楽しいひと時を過ごさせていただきました。
今回もスタッフはご相伴させていただき、写真やカメラの話を皆さんと、たくさんさせていただきました。
最後に戸澤さんの作品とコメントのご紹介です。
<戸澤さんからのコメント>
隣の石川県出身者の僕、高校を卒業後直ぐ東京の写真学校で学ぶために上京して四十年以上が経つと自分の故郷の事もよく知らない、ましてや隣県の事なんて実は全然知らないという富山県でしたが、北前船の寄港地で今もその面影を残した情緒豊かな港町が撮影の舞台。
数日前から春の季節の変わり目で不安定な天候が心配でしたが、幸い撮影時間帯は雨も止み、久しぶりの懐かしい北陸地方のしっとりした空もこの土地らしさが良い感じ。
晴天ではただ観光写真を撮ってしまいそうになりそうでむしろ曇天ぐらいが似合ってる場所じゃないかなとモノクローム好きの僕は自分に都合良い方に考えていました笑。
ご参加いただいた方々も地元富山県出身の方、近隣の新潟や岐阜、東京からまでお越しくださり満員御礼ありがたくも優しい方々が集った撮影会となりました。
前日ロケハンで出会ったユニークな喫茶店に幾名かご一緒し再びお邪魔、美味しいカレーやコーヒーをご馳走になりながらこの土地柄のお話し等地元の方と触れ合う機会が出来たこと、写真を通して素敵な出会いが出来るという、生きている実感の喜びに満たされる時間が持てました。
講評会では初めてGRに触れたという方も写真歴の長い方も、それぞれが自分の目と脚で発見した被写体の面白さを作品にされていて、多様な個性が溢れた素敵な講評会に僕はただただ唸り続け、たくさん勉強させて頂きました。
単焦点レンズで過度な機能の無いシンプルなGRだからこそ撮影者の身体感が如実に写真に反映される、そこがこのカメラの最大の効能では無いでしょうか。自分の気持ちが写せる魔法のカメラだと常々思っていました。
今回の撮影会でも年齢性別写真歴関係なくそんな個性が反映されていてますます魔法のカメラを実感した次第です。
一期一会でなくまたいつかここに来よう、自分の地図にまた一つ大切な場所が出来た喜びが残りました。
素敵な機会に感謝します。
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私は4回目の参加です。場所も違いますが、参加いただく皆さんも写真家の方も違います。
同じ「GR meet 47」ではありますが、4回すべて異なる体験をさせていただき、それぞれ新たな知見を得ることができました。その結果を仕事に活かすべく、また参加させていただきたいと思います。
参加してくださった皆さん、戸澤さん、会場設営に協力いただいた岩瀬カナル会館のスタッフの皆さん、本当にありがとうございました!
これを読んでくださっている方で、まだ「GR meet 47」に参加されたことのない方は、お住まいの近くで開催の際には、ぜひ参加いただければと思います。
一緒にGRで写真を楽しみましょう!
(大久保)