GR trip 第九回目を開催しました! (みにゅう)

2024.08.29 EVENT

こんにちは、みにゅう です。
6月16日 (日) に、神戸市新開地にて GR trip 第九回目を開催しました。
(これまでの GR trip は こちら から一覧でご覧になれます)

神戸といえば、僕は三宮・元町エリアや北野異人館街が思い浮かびますが、今回の開催地は昭和初期に遊興街として大きく栄え、今もその大衆的テイストを残す「湊川・新開地」地区です。

応募してくださったのは、神戸を拠点に活動されている写真クラブ「KOBE*HEART FOTO倶楽部(KHFC)」のみなさん。設立から10年を数えるクラブで毎年写真展を開催するなどしっかりした活動をされています。
18名の方が参加してくださいました。驚いたことに、ほとんどの方がGRのオーナーです。聞けばクラブ設立のきっかけがGRのイベントだったとのことで、それが今回の GR trip につながっているというのはとても嬉しいことです。

今回のシークレットGRistは、中藤毅彦さんです。
GR meet 47 では講師役として何度か参加されていますが、GR trip には初参加ということで「僕のこと知ってる人いるかなぁ」と初めは心配なご様子。自己紹介のため写真集も持参されてました。神戸の撮影に来たことはあるが、新開地地区は初めてとのこと。

・中藤毅彦さん登場
・KHFCさんからの湊川・新開地の魅力を紹介する資料

KHFCの方々には愛着のある、撮り慣れた場所。事前説明のスライド資料も用意してくださいました。
撮影のテーマは:
  │ 本日のロケ地 幻の川が流れるオールド神戸 ── 湊川・新開地
  │ ・昭和初期に遊興街としてめちゃくちゃ栄える。
  │ ・昭和っぽいダウンタウン文化が温存された独特の街
とのこと(資料より抜粋)。
プレゼンから、見過ごされがちな湊川・新開地の魅力を知ってほしいという熱い思いが伝わってきます。こんな歴史がある場所だったんですね、ワクワクしてきます。

▼ 中藤毅彦さんと撮影会
今日の流れと行動範囲を確認した後、撮影会へと出発。この日は天気に恵まれて予想最高気温は30℃超え。暑さ対策にも気を配りつつ行動します。

会場の「新開地アートひろば」を出て湊川公園方向へ。目に留まったものを撮影しながら、新開地商店街のアーケードを通って坂を上ってゆきます。
明治初期には川だったというこの通り。埋め立てた後は大きな劇場や映画館があったそうで「大衆芸能の道」という別名ももっています。今は両側に庶民的な飲食店が並ぶ中にパチンコ店や落語の寄席があります。

・外は晴天でギラギラ暑い日射し
・アーケードの中、坂を上っていく

途中で商店街から外れて、古い焼き鳥屋さんの歴史など聞いたりして、路地を散策。その後、屋上が湊川公園となっている、ミナエン商店街の建物へと入っていきます。
名画座映画館が角にある薄暗い通りにスナック、喫茶、美容室、などが並び、昭和のレトロ感満載。
この階から階段で地下に降りた先がミナエンタウン。地下迷宮に降りていくような雰囲気です。音楽関係のお店などが並んでいます。開店準備中のライブハウスにお邪魔して店内を撮影したりしました。

・歴史を感じる名画座映画館。看板ロゴに味があっていい。2本立てもやってます
・ミナエン商店街、スナック店舗などが並ぶ。お昼なのでお店が閉まってるのが残念

・ミナエンタウン地下1階、音楽ライブハウスなどが並ぶ
・地下の迷路で迷った? ミナエンタウン最深部、ここから地上へと上がる

階段を上り一度地上に出て、太陽眩しい湊川公園を横切った後、湊川商店街のアーケードを通り抜けて行きます。地元の人が日常的に買い物をする商店や食事処が並んでいて賑やか。

・湊川商店街をずんずん歩いていく
・2階の陸橋部分から人通りを眺めるのも楽しい

湊川商店街を抜けたら、左に坂を上り中央市場へ。
そこにあった果物屋さんは商品のかごに「さわる人には売らない」と書いてあります。中藤さんはここの店主さんと会話し商店街の様子を聞いたりしながら撮影。気難しいかと思ったら、人懐こく話してくれる人だった。
さらに奥へ進むと東山商店街と通りの名前が変わる。ここも商品カテゴリごとの市場的なお店が並んでいます。店先に屋台を出しているお店がそこここに。お昼を過ぎてお腹も空いてきた一行はあれこれと買っては食べ始めました。コロッケがうまい!ミックスジュースがうまい! 美味しそうな匂いを漂わせ、サキイカを店頭で作って販売してるお店なんて初めて見ました。

・果物屋の店主さん、いろいろお話してくれました
・屋台で食べたコロッケ、安くてうまい!

東山商店街の最奥地。左のお店は立ち食いの串カツ屋さん

東山商店街の北端まで行ったところで、いい時間になったのでここで引き返し各々昼食をとって会場へ戻りました。

▼ 講評会
各自3~5枚を提出して、中藤さんから講評していただきます。
作品を投影した後に、どういうことを考えて撮ったのかをそれぞれ話してもらい、それを聞いたうえで丁寧にコメントしてくださいました。

愛着ある土地で写真歴のある方が、使い慣れたGRで撮る写真はそれぞれの狙いがしっかりしていて いい写真ばかりです。
何を狙うか視点は人それぞれ。光と影の対比、うらさびれた感じ、質感や形の面白さ、人物、一瞬の光景、などなど多様です。画作りにもそれぞれ自分のスタイルがある。ハイコントラストモノクロ、レトロな色調、アングル、露出 … イメージコントロールの選択と設定に個性がある。
中藤さんはそれぞれの作品のいいところを見つけて「いいね~」「これはカッコイイ!」「色調が合ってるね」「オリジナリティがある」「写真の神様が降りてきた瞬間だね」「人物の自然な表情が撮れている」などと楽しそうにコメントされていました。
ちょっと悩みがちな人には「考えすぎないで、心が動いたときにシャッターを切ればいいんですよ」とストレートなアドバイスも。
全員の講評が終わった後「18人が全員似ていない。独自の視点を持っているのがいいですね」と締めくくられました。

講評会の様子

講評会の後は、中藤さんが今日 撮影会の際に撮った写真をそのまま「全部出し」で見せるスライドショーを投影しました。GR III と GR IIIx の2台を使用し384枚!
「写真家がどんな視点で街を見て、撮っているのか、その軌跡をありのままさらけ出すことで感じてもらえるところがあればいい。」
写真家のリアルを感じられる、なかなかない貴重な機会です。

参加者からの質問で「撮影枚数が多いですが、選ぶときはどうしているのですか?」
これに対し中藤さんは
「まず粗く選定し絞っていく。見せていいレベルの写真に絞った後で、さらにセレクトしていくところは苦しいけれどそこが撮るときと同じくらい重要。見せたいテーマを考えて、写真それぞれの役割に沿って選ぶ。組写真の塊で組み立てていく。
正解は決まっていないし、日々考えが揺れ動きもする。写真集を作るときは本当に苦しいが、そういう苦しみを経て、すべての写真のピースがハマった感じになった時、やっと納得ゆくいいものができる。それで今回出版する写真集ができるまで7年かかっちゃった。ハハハッ」
と明るくおっしゃっていて、とても印象に残りました。

* * *

参加された皆さんの写真は、下記のギャラリーにてご覧いただけます。

  
そして、中藤毅彦さんがこの日撮影された写真の一部もご覧いただけます。
 

 
 
GR trip にお申し込みくださったKHFCの幹事さんと参加してくださったみなさん、そして中藤さん、本当にありがとうございました!
新開地という新たな場所の魅力を知り、楽しく過ごすことができた1日でした。また訪れたいです。

参加された皆さんで集合写真。今回は人数多めです! 新開地アートひろば前にて

恒例、みんなのGR集合! ストラップが多様です

最後に、中藤さん、幹事さんからのコメントをご紹介します。

* * *

中藤さんより ─

これまで、全国の都道府県で開催されるGR meetには何度か参加して来たのだが、GR tripは初めてだ。
各地の写真クラブが企画するこのイベントでは、ゲスト写真家は当日までシークレットとの事である。
果たして自分が行って皆さんどんな反応になるか…
行ってみるまで様子が皆目見当付かず、やや不安を覚えつつ朝イチの新幹線に乗って神戸を訪れた。
しかし、不安は全くの杞憂で神戸HEARTフォトクラブの皆さんに温かく迎えて頂き、2・3の知った顔もあり、アウェイ感は一瞬で吹き飛んだ。
驚いたのは、集まったメンバーの殆ど全員がGRユーザーだった事で、まるでGR専門のクラブである。
神戸と言うと、三宮や元町、神戸港などの洒落た街並を思い浮かべる所だが、クラブが拠点とする新開地はそれとは打って変わった、気取らない下町である。
東京で言えば浅草辺りと近い風情で、明治から昭和初期にかけては娯楽の町として大いに賑わったらしい。今もそこかしこにその名残が感じられるのが好ましい。
そんな新開地での、地元を良く知る皆さんとの撮影散歩が楽しくない訳はない。
公園の下にひっそり佇む、映画館やスナックが入った地下要塞の様な施設を探検し、ベトナム辺りの市場の様な商店街を探索。
皆、思い思いに屋台で買い食いし、店主と交流しながらスナップを撮り歩く。大人数での撮影だが、全員がGRなので町の人への威圧感は全く無い。
講評会では、ひとり3~5点ずつの作品を発表して貰って講評させて頂いた。
同じ新開地と言う場所でも、人物へのアプローチが素晴らしい方や、カッコ良さを追求する方、街の記録的に撮られる方、それぞれバラエティに富んだ個性で切り取っている。
僕自身も半日の撮影データをスライド投影し、この日のイベントは終了したが、その後の居酒屋での打ち上げも大いに盛り上がり、大変楽しく有意義な一日となった。


幹事さんより ─

去年やっとコロナ禍による行動制限が解除され、写真倶楽部内でそろそろ動きたいねと意見があり「GR tripに応募してみようか」と応募してみたらなんと今回採用いただき実現しました。
普段の定例会よりも多くの参加者が集まってたくさん歩いて写真を撮って倶楽部ゆかりの地、新開地を発見してみました。
昔ながらの商店街や最近できた店や路地など知らなかった新開地を発見できた気がします。
GRistの中藤先生にも面白い街だと感想をいただけ、お店の人との話し方や撮影スタイルも覗かせてもらえて面白い経験になりました。懇親会でもいろいろお話ができ先生には夜の新開地もおすすめしたのでまたお越しいただければ幸いです。

GR trip事務局の方々、中藤先生、お越しくださりありがとうございました。
今後もいろいろな企画を楽しみにしております。(また、神戸に来てほしいな)

最後に宣伝で恐縮ですが、以下の日程で倶楽部の写真展が開催されますので是非お越しくだされば幸いです。

SCENE2024 KOBE*HEART FOTO倶楽部写真展
日時:8月30日(金)から9月1日(日) 11:00-18:00 *最終日は15:00まで
場所:こうべまちづくり会館 https://kobe-machi-kaikan.city.kobe.lg.jp/

* * *

GR trip」は、随時募集しています!

GRist と一緒に撮り歩きしたい、あなたの大切な場所をぜひ教えてください。
お待ちしています!

(みにゅう)



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