【SPECIAL】森山大道、銀座を撮る by GR Ⅲ

2019.03.08 BLOG

2019年 森山大道、新型GRをもって銀座を撮り歩く。

GR OfficialのタブにSPECIALというのがあるのですが、その第一弾として最高に贅沢なコンテンツが出来ました。ここでしか見られない森山大道ワールド全46作品、たっぷりと堪能して下さい。

 

大阪から出てきて、有楽町の数寄屋橋交差点にあったウエストというレストランに真っ先に行った。「有楽町で逢いましょう」という映画をみて、そこに行くと決めていた。それが東京での生活の始まりだ。
新宿は欲望のスタジアムとよく言っているけど、銀座はどこかソフィスティケイトされた雰囲気を感じる。今回は、そんな銀座を一日撮り歩いた。
先へ先へと撮っていく。失敗したって又次を撮ればいい。反省はしない人生、写真も同じ。

GRはフィルムカメラから愛用している。体に染み込んでいるから、新型GR Ⅲもすぐに馴染んだ。28mmの専用機で撮ると昔を思い出す。思う存分に、心地よく撮れる感覚。ストリートスナップに小型軽量は絶対条件。これは若い頃から変わらない。その上、GR Ⅲはフォーカスが速くなって、自分の想定以上にピンも合う。すれ違いざまのカットが思うように撮れて心地よかった。初期設定のまま使ったけれど、シャープネスも適度にかかり、階調も豊か。路上カメラマンにジャストフィットするカメラだ。

撮影の合間にRING CUBE(現リコーイメージングスクエア銀座)に立ち寄る。ここのオープン最初の写真展として「銀座/DIGITAL」をやったことを思い出す。今は薄暗いギャラリーになってしまっているのが残念だ。写真は明るく見るのがいい。

写真が膨大に生まれて消費されていく時代、残念だけどいいことでもある。どう生かそうが捨てようが、残ろうが残るまいが、写真が写されるということは絶対いいことなのだ。ただ、スナップが撮りづらい時代になったのは事実だ。写真というのは、ぼくならぼくが、受け持った時間に目に映ったものを何でも撮っておくということ。自分のモラルで自分を賭けて撮っている。人もその背景も、全て含めてが路上。色々な規制で、今の時代が残せなくなっていいのか?と。全ての写真がいきつくのは、記録性だから。

最近、心底思うのは、「ああ、おれにカメラがあって良かった」「写真というものがあって本当に良かった」ということ。理屈もコンセプトもない。今後、写真がどういう形になっていくのか、写真という言葉さえ残るかわからないが、どんな形、どんな言葉であっても、写真というものが残っていけばいいと思う。

森山大道
 


繰り返しますが、ここでしか見られない作品です。
展示や出版に興味があれば、ご連絡を。何かの形で、もっとたくさんの人にも見てもらえる場ができるといいな、と思っています。

 
撮影後、後日オフィスに伺い、写真を見たり、歓談したりの風景。

2019年2月26日、大道さんの事務所での取材の様子

GRistコーナーにも、4点をセレクトして公開!

(野口)

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