いつもの景色をフィルターワークでひと工夫(朝倉)

2020.05.05 BLOG

こんにちは、朝倉です。

気づけばもう5月。
まだしばらくは不自由な生活が続きそうです。
僕はというと、ご多分に漏れず家の中で過ごす時間が長くなっているのですが、この生活の中での一番の悩みの種は物欲が止まらないということです。

例えば、長丁場の在宅勤務を見据え、「仕事の環境を整える」ということを口実に「新しいサブモニターが欲しいなぁ」と検索してみたり、通勤時間が無くなったことで時間に少し余裕が出来たので「読書でも」と、欲しかった写真集を片っ端から買ってみたり、遠出をする予定が全くないのにカバンが欲しくなったり(これは普段通り)と、家にいるとどうも物欲が止まらず、販売サイトの”お気に入り”欄が止めどなく増えていきます。

そんな物欲の塊の朝倉が物欲に負けてこの4月に購入したモノの中で、GR IIIを使っている皆さんにお勧めのアクセサリーがあるのでご紹介したいと思います。
それがこちら。

フィルターメーカーのNiSiが出している「GR III フィルターシステム マスターキット」です。フィルターを装着する為の”フィルターホルダー”とそれとカメラを繋ぐ”レンズアダプター”、ハーフNDやPLフィルターなど5枚のフィルターにフィルターを収納するポーチ、更にはシルバーのレンズキャップリングまでオマケでついてくるという素敵なセット。

そもそも「え?GRなのにフィルター?スナップ撮るのにいらないんじゃ…」と思われる方も多いかもしれませんが、これ、いろんなシーンで活躍してくれます。今日はその中でも僕のお気に入りのフィルター3種類を紹介します。

まずはハーフNDフィルター。今のところ、一番出番が多いです。
というのも、日中は在宅勤務で家の中に籠っているので、外に出るのは朝の日が出る時間か夕方の日が沈む時間。この時間にマンションの廊下を西へ東へ渡り歩いて太陽に向かって写真を撮ることが日課になっていて、ハーフNDはこの時間帯に大活躍のフィルターなのです。
逆光の太陽を撮るには、下半分の街並みが黒く潰れてしまうか、太陽が白く飛んでしまうかになるのですが、ここでハーフNDを使って、空の部分だけを減光させてしまうことで、明暗差のある沈む太陽と街並みを同時に写すことができます。


<フィルター未使用>

GR III,Mモード,ビビッド,ISO100,1/80sec,F8.0

 
<ミディアムGND8(ハーフND)フィルターを使用>

GR III,Mモード,ビビッド,ISO100,1/80sec,F8.0

ハーフNDを使うことで、印象的な夕焼けに染まる空と、夕陽に照らされた街を同時に表現することができました。
家にいる時間が長いからこそ、太陽のありがたみを感じつつ、丁寧に一枚一枚撮りたいですよね。

次に使っているのがNDフィルター。
最初に紹介したハーフNDと同様、減光させるフィルターで、このマスターキットにはND8(3段分の減光)とND64(6段分の減光)が付属されており、その2枚を単体で使ったり、組み合わせたりすることで、昼間の長時間露光が可能になります。
昼間の長秒時撮影と言えば、街中の人を消すことを真っ先に思いついたのですが…何せこのご時世なので、それはまたのお楽しみということにして、家から見える景色やマンションの庭にある小川で試してみました。

<ND8フィルター・ND64フィルターを同時使用>

GR III,Mモード,ポジフィルム調,ISO100,90sec,F8.0,カメラ内NDをON

 
<ND8フィルター・ND64フィルターを同時使用>

GR III,Mモード,ポジフィルム調,ISO100,30sec,F5.6

GR IIIにはカメラ内にNDフィルターが内蔵されているので、このNiSiのNDフィルターと合わせて使うことで、昼間の撮影でも30~90秒という長時間の露光が可能になります。
普段の見慣れた景色や物体が、時と共に流れていることを記録できるのも写真の醍醐味ですよね。

最後はPLフィルター。
PLフィルターを使うのが多いのは、外に出かけることがあまりできないので、最初にお話した太陽か、もう一つは空を撮ることが多いからです。
空気中の乱反射を押さえ、本来の色をくすみなくクッキリと表現してくれるPLフィルターは空を撮るのに最適です。

<フィルター未使用>

GR III,Pモード,ビビッド,ISO100,1/500sec,F5.6,±0.0EV

 
<HD PLフィルターを使用>

GR III,Pモード,ビビッド,ISO200,1/400sec,F5.0,±0.0EV

グッと引き締まった空の青と、立体的な雲の描写がPLフィルターの効果を物語ってくれています。息抜きで見上げた空を、気持ち良く残せたらいいなと思います。

いかがでしたか?
風景写真を撮る人にはよく知られているフィルターシステムですが、GRみたいなカメラと組み合わせて使われている方は多くはないと思います。確かに手間はかかりますが、この小さなセットならGR IIIと一緒にいつでも持ち歩けるので、普段の身近な景色や散歩中の風景を撮る時にも使えます。

いろんな状況が目まぐるしく変わっている今の世の中で、こんな風にひと手間ふた手間をかけて、一枚一枚をゆっくりと大切に撮るのも楽しいですよ。
皆さんも是非お試しください。
それではまた。

(朝倉)

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