スライド撮影アダプターを自作してみた (みにゅう)

2020.06.26 BLOG

こんにちは、みにゅう です。

写真歴の長いみなさん、カメラがデジタルになる前はどんなメディアで撮影していましたか? 僕はポジフィルム(スライドフィルム)の発色が好きでよく使ってました。
そして数十年、撮影された思い出のスライドが今や大量に押し入れで眠っています。
これら(名作?)を今後も活かせないものか … と思うのですが、なかなか手を付けられずにいました。
そんな折、にわかにDIY心が盛り上がり、スライドを手軽にデジタル化できる「スライド撮影アダプター」の自作にチャレンジしてみました。

一眼レフとマクロレンズを使ったフィルムデュプリケーター等という装置がありますが、ちょっと手を出しづらい価格。でも GR III なら本体のマクロ機能を使って、スライドサイズ(35mm × 24mm)のものを大きく写すことができるんじゃないか? というのが発想のきっかけです。
マクロモードではレンズ先端から最短 6cm で撮影が可能。試しにその距離にスライドを置いて撮影してみると、なかなかいい感じです。ならばその位置にスライドを固定できる装置があれば撮影できるじゃん! 作ってみよう!

まずは設計図を描いてみる。
・GR III のリングキャップ周りの径は 58mm。ここにすっぽりはめ込む筒状にする。
・マクロモード撮影状態で、ボディからのレンズの出っ張りは 20mm。
・フォーカスに多少のゆとりを持たせ、レンズ先端から 70mm の位置にスライドを固定する。
・とすると、ボディから 90mm の長さ、58mm 径の筒を作ればいい。
・スライド保持部分は、スライドより少し広めに窓を開けたボール紙を二つ折りにして、その間にスライドを挟む形にする。

次に制作開始。
・材料は手軽に扱えるボール紙を使用。
・ボール紙を丸め、58mm 径の筒になるようにホチキスで留める。セロハンテープで補強。
・ボール紙からスライド保持枠を切り出し、スライドの穴(39mm × 28mm)をくり抜く。
・筒とスライド保持枠をボンドでくっつける。スライド保持の外枠が狭かったので、若干四角に折り目を入れた。
・二つ折りのスライド保持部はクリップで挟んで留める。
・スライド保持部の外側に背景光の拡散板として薄い紙を曲げて設置。
・筒に GR ロゴシールを貼って完成。GR IIIと合わせてみると、いい感じ。

さぁ撮影してみよう!
出来あがったスライド作成アダプターを使って昔の写真を何枚か撮影。
スライドを保持枠にはさみ、筒部を左手で GR III に押し付けます。GR III をマクロモードにし、オートフォーカスでフィルム面にフォーカスを合わせます。
背景光は、外に出て晴天の空の光を透かしました。
撮影後はフィルム部分の切り出しのみで、画像の加工は行っていません。
切り出した画像のサイズは約500万画素になりました(BLOG掲載用に縮小しています)

GR III, Pモード, ISO200, 1/30sec, F2.8, +1.3EV, WB:Auto, クロップ50mm, レタッチ(トリミング)

これは僕が持っている中で一番古いスライド写真。1976年頃、初めて海外旅行した時のもの。幼いけどちょっと大人っぽい表情もしていますね、面影はあるかな?

次からは1997年、モンゴルでの写真。
ゴビ砂漠では照りつける太陽のもと、ラクダの群れに遭遇。空の青さが鮮やか。

GR III, Pモード, ISO200, 1/250sec, F2.8, -1.3EV, WB:Auto, クロップ35mm, レタッチ(トリミング)

夜には満天の星空。モンゴル式テントで眠りました。

GR III, Pモード, ISO200, 1/125sec, F2.8, -3.7EV, WB:Auto, クロップ35mm, レタッチ(トリミング)

草原で繰り広げられるモンゴル相撲の大会。見物人の衣装もカラフルです。

GR III, Pモード, ISO200, 1/30sec, F2.8, -1.7EV, WB:Auto, クロップ35mm, レタッチ(トリミング)

どうでしょう、アナログだったスライド写真が生き生きとした高精細なデジタル画像に変換されました。自分としては十分な画質の結果が得られて満足です。これは楽しい!

ちっちゃなゴミも写ってしまうので、スライドは見る前にブロワーでゴミを吹き飛ばすんだった、と思い出したりもしました。

撮影の設定とか、背景光とか、レタッチのやり方しだいで、まだまだ工夫のしどころがありそうです。それは今後の研究課題ということにしておきましょう。
それではまた!

(みにゅう)

Facebook X Hatena Bookmark Pocket Google Plus LINE

PREVIOUS

自転車のある風景(ゆか)

2020.06.23 | BLOG

NEXT

写真で外出気分を味わう (任三郎)

2020.06.30 | BLOG

RELATED ARTICLE

GR official SNS